説明の仕方で左右される!妊娠中のリスク

産婦人科に所属している看護師は、妊婦さんに対して妊娠中のリスクを説明する機会が頻繁にあります。医学的には妊娠そのものは病気に分類されていないので深刻に説明するケースは少ないですが、妊婦さんに持病があった場合は丁寧な説明が必要です。まず心臓が弱かったり肺や呼吸器に異常がある妊婦さんには、受精卵が育つにつれて息苦しさを感じる可能性が高まることを伝えるようにしましょう。これは妊娠が進行することによって循環血漿量が増加し、それが心臓や肺に負担をかけるためなのです。
血管そのものに持病がある場合は、妊娠を起因として症状が急速に悪化した事例があります。なかでも脳の血管に塊があると命に関わる事態にもなり兼ねないので、リスクを説明したうえで妊婦さんに出産の意思を慎重に確認するようにしましょう。その一方でアトピー性皮膚炎や喘息などのアレルギーに関しては、妊娠をしたことによって症状が軽減されるケースもあります。妊娠中は大量のステロイドホルモンが胎盤から放出されます。その自前のステロイドホルモンが、アレルギーの症状をやわらげてくれることがあるのです。説明の際はマイナス面だけでなく、このような持病が改善される事例についても看護師のほうから言及するようにしましょう。
また妊婦さんが普段から服用している薬は、必ず確認してください。特に妊娠中に抗凝固剤や降圧剤を服用することはタブーとされているので、妊婦さんからの申告にプラスしてお薬手帳でも確認する姿勢が求められます。産婦人科の看護師がどのような説明と確認をするかで、妊婦さんの心持ちは大きく変化するのです。

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